にょろにょろニッチ雑記

Google検索で見つけられない、ちょっとマニアックでニッチな雑記を書き散らします。

公正であるのも大変だ

沖縄返還密約にかかる情報開示を争う裁判の最高裁判決が出ましたね。

今回の裁判は特定秘密保護法によって守られる政治・行政の機密の範囲がどこまでなのかを裏付けるケースであり、日本の民主主義がどこまで透明性を保てるかの試金石でもありました。
ところが出てきた判決文の論理はちょっとお粗末だったように感じられました。
簡単に判決文を「日常会話」に翻訳してみます。

本文はこちらのリンクをみてください。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140714163907.pdf

 

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1.情報公開法にもとづいて文書リストに載ってるこの文書とこの文書(文書はどちらも沖縄返還の密約にかかわるもの)の開示を請求したAさんと、その文書はなくなっちゃったから開示できませんと答えたBさんの間の争いです。

2.情報公開法で言うところの「文書」ってのはハードコピー、ソフトコピーを問わないんだけど、開示請求がされた行政機関に「存在する」文書なんですよね。
その行政機関に存在しない文書は開示のしようがないんですよね。
うちにはないから開示できないっていう行政の回答を取り消そうというのを争う裁判では、「おまえんとこにあんだろ」ってのを訴える側が証明するのが筋ですよね?

ある時点でそういう文書があったことを証言する人がいたとしても、情報の開示請求がされた時にあったかどうかはわからない、そういう案件の文書が存在しているのかどうかを(裁判所として)推察して判断するのには、個別具体的に文書の性質も踏まえたり、外交機密に関わることを念頭に入れる必要があるんですよね。

3.そんなわけで、昔にそういう文書が作られていたと確認できたにしても、開示請求があった時に行政にその文書が間違いなく保管されていたと裁判所は判断できないし、必ずあったという証拠もなさそうなんです。

4.以上のような理由で、Aさんの「開示請求時点で文書がないっていう行政決定を取り消すことを争う」訴えを却下し、Bさんの「文書がないので開示できないんです」という回答を満場一致で採決します。

裁判長裁判官 千葉勝美
裁判官 小貫芳信
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸
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つっこみどころがいろいろありますが、とりあえずこの国の外交が不安になります。
安全保障の費用負担について、将来的にも非常に重要になってくる可能性のある公文書を外交機密だから永久保存しないって、大丈夫なんでしょうか。

そして裁判所は三権分立の原則にも限界があると、自ら認めたようなものなんですが、それでいいんでしょうか?
裁判所のみなさんは公正であることで社会に価値を提供している(ひいては飯を食っている)はずなのですが、今回の判断は将来的に自分たちの首を締めることにならないのでしょうか。

こういうニュースに触れる度に、透明性のある民主主義国家っていうのは粘り強く維持しようと努力しつづけるのが大切なんだなあと思います。
公正であるのも大変ですなあ。