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カリブ海ら辺でイラついてます。

日本語と英語とスペイン語のネット情報についてイライラすることにしました。

狭い意味での被害者=広い意味での加害者

その他

マニアックな映画好きな友人に誘われて映画館へ。

ジャ・ジャンクー監督製作の「罪の手ざわり」という映画を見てきました。

 

「罪の手ざわり」日本語配給公式サイト

http://www.bitters.co.jp/tumi/


ネタバレはしたくないので、あらすじについてはリンク先をご参照ください。
なかなかにわかりやすく重い映画で、オフィス北野提携であることもあるのか、人もバッタバタ死んでいきます。
とてもすっきりしない日曜の夕べとなりました。

感想:狭い意味での被害者って、広い意味での加害者だったりするよねー(逆もまた真なり)

日本で生活していると、割に当たり前のことなんですが、自己正当化がアイデンティティと化しているきらいのある、政治のものすごくお上手な中国公民のみなさんにもそのあたりをすっと飲み込んでもらえるよう、わかりやすく、丁寧に考えさせることのできる映画となってます。
これほどわかりやすければアメリカでも受けることでしょう。
マニアックな映画であることに変わりはありませんが。

その他、気になったポイントは、今や世界の工場となっている広東省についての描写。
昔ちょっと香港にいたこともあって、私にとってはとってもリアリティがありました。
以下に簡単に数点れっきょ。

1.東莞の風俗の描写
東莞の風俗産業については、主に駐在員の皆様による情報がネット上に溢れていますが、ここまでわかりやすい描写はありませんでした。
非常にリアリティがあります。
今年の春先に当局の取り締まりがあってから、東莞の風俗産業は下火とのことですので、そういう意味では非常に貴重な描写なのかもしれませんね。

2.広東省に移民してくる若年労働者のリアリティ
食うため、農村の家族を支えるため、広東省の工場に職を求める若者の姿がリアルでした。
昔香港で、幼少期に大陸から不法入境して、そのまま香港で大学を出た移民1世の人と知り合ったことがありましたが、彼が何から逃げてきたのかよくわかりました。
貧困だけでなく、不条理や希望のない未来とうまく折り合いをつけなければならない人生がデフォルトなら、そらぁ必死で移民しますよね。

3.中国製品はどこでどのようにして作られているのか
中国に工場のあるメーカーの人でもないと、今私たちの周りに溢れる中国産の製品がどうやって作られているかなんて、さっぱりイメージできないですよね。
OEMの現場らしき工場の描写が非常にリアルでした。
あなたのおうちにあるそのiPhoneZARAも、中国の国内移民のみなさんが工場で作っているものなんですよね。
夜の間にどこからともなく現れた妖精がえっちらおっちら作っているわけではないという、当たり前のことが映像になっていて、個人的にはとても勉強になりました。
OEMの工場なんて一生見にいくこともないでしょうしね。

ここまでわかりやすく問題提起する作品を撮影したジャ・ジャンクー監督は当局に拘束されたりしないんですかね。
ちょっと心配になりつつも、これからも頑張ってよい作品を撮影し続けていってほしいところです。